若い頃から「趣味で尺八やっています」と言うと、多くの人から「あれ、難しいんでしょう?『首振り三年』って言うくらいだから」と言われてきました。「いかがですか?やってみませんか?」と勧めても、「そんな難しい楽器、とても無理ですよ」と尻込みされます。でも、はっきり言います。あれはウソです。尺八は特別に難しい楽器ではありません。このような誤解が多いため、あえて尺八教室のページの冒頭に「ウソです」と書きました。
確かにリコーダーやハーモニカなどのように、吹けばすぐに音が出ると言う楽器ではありません。でも、尺八以外の楽器でも例えばフルートなどはそう簡単に音は出ません。トランペットやホルンなどの金管楽器だってなかなか安定した音は出ません。他にもヴァイオリンやチェロなどの弦楽器、習いたての頃は「鋸の目立て」などと言われるほど、不快な音が出ることがあります。またギターのようなフレットがないので、正確な音程を出すにはかなりの技術を要します。このように、音を安定して出すのが初心者にとって難しい楽器というのは、尺八ばかりではありません。
「易しい楽器」などというつもりはありません。でも、どんな楽器でも初めは難しい、尺八もその中の一つ、というくらいの気持ちで、気軽に尺八を始めていただけたら、こんなに嬉しいことはありません。
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